「歯臓(ハゾウ)」とは、当クリニックの院長、村津和正が1988年に提唱した歯の人体における存在意義を根底から見直す概念を表す造語です。「歯は臓器だった。心臓、肝臓、腎臓、・・・『歯臓』だ。」だから、歯は、単なる食べる道具としての「歯」ではなくて、「歯臓」と呼ぶべきだという考えに基づいています。
少し難しいですが、「臓器」というのは、情報の受発信性があり、固有の機能を持ち、人体の恒常性維持に関与している存在です。脳や他臓器との間で入力と出力を行っている器官です。心臓や肝臓などすべて、そのような視座でお考えいただくと、それぞれの臓器としての能(ハタラ)きがイメージされるでしょう。
実は、歯も人体における脳や他臓器との間で入出力をしていたのです。そのことが分かったのが、1988年、九州大学健康科学センターの健康外来歯科口腔内科での研究結果です。当時、九州大学歯学部付属病院に所属し、同部門の責任者を担当していました。10年間在籍しました。ここでは簡単ご説明しますが、歯は、「噛む」という『入力』によって、脳や全身系に、自律神経経由、経絡経由、筋靭帯経由などを介して、その刺激は『出力』されていたのです。一歩一本の歯が、ピアノ鍵盤に相当するような左右の顎で「ドレミファソラシド」というそれぞれ8音の異なる音色があるとも言えるでしょう。つまり、歯の1本1本が、それぞれ、独立した固有の刺激情報を出力しているのです。詳しくはKOSMOS国際口腔健康科学センター(九州口腔健康科学センター)のホームページをご覧下さい。

歯がそれぞれ独立した刺激を脳や全身系に送っているということになれば、歯を「抜く」ということについてもよく考えなければいけないことが分かります。
例えば、奥歯を1本抜くということは、奥歯から脳や全身に行っていたその固有の刺激が無くなるということです。ということは、脳や全身系はその刺激を受け取って、体に指令を出したり、その刺激に反応して変化することが無くなるということなのです。脳は様々な刺激を受けて、様々な指令を出す働きをし、全身系は「歯」を含め、様々な人体の構成要素との絶妙なバランスや仕組みを持って、心身の恒常性(ホメオスタシス)を維持していますから、それに重大な影響を与えることになるのです。
例えば、上顎の第2大臼歯は歯臓理論では「血圧を下げる」能(ハタラ)きがありますので、その歯を抜歯すると、血圧の恒常性維持機構に変化を生じ、結果的に血圧が上がる可能性があるのです。 また、全身系から見ると、歯の「噛み合わせ」は、頭部と体躯間をつなぐ咀嚼筋や頭頸部の筋肉群を介して、約4.5kgもある重たい頭蓋骨の人体におけるバランスを決定づけています。私達の身体の周囲を包む骨格筋群や内部の内臓筋群は、それぞれ別の名前がついていますが、頭から足の先に向けて、ピアノやギターの弦のように、つながっており、その張り具合を調節しているのが一本一本の「歯」だったのです。
まさに人体の内と外の筋肉人体という弦の張り具合を調律し、「ドレミファソラシド」という美しい音階をつくっているのです。
そのため、歯を一本抜くことにより、そのラインの弦の張りが失われ、調律ができなくなるのです。当然、全身系に響いている音楽が狂うように、人体の秩序と調和に乱れが生じるのです。それが、心身の不調であり、それが持続して破綻すると、病気となるのです。また、顎や顔、人体の歪みも引き起こされます。側湾症はその典型的な例でしょう。これも歯が全身の状態に影響を及ぼす大きな理由です。「歯を大切に」という標語がありましたが、この言葉は、世の中の多くの人が考えているよりもはるかに重要です。歯中枢治療(歯臓治療)におけるむらつ式噛み(神)合わせは、歯を研磨する際に使用するシリコンゴムのみによるミクロン単位以下の調整ですが、その精妙な調整が全身にいかに重大な影響を与えるか、患者様の証言から読み取っていただけると思います。
「かけがえのない」という言葉はよく聞きます。「代わりがきかない」ということですが、まさに歯は「かけがえのない臓器」です。これまで、歯は体の中にある義歯などで取り換えがきく「石」のような扱いを受けてきたように思います。痛くなったら抜けばよい、虫歯になったら、何か硬い材質のもので代用すればよい、という実に安直な治療が行われてきました。しかし、よくよく考えれば、歯に水銀アマルガムやパラジューム合金を入れる治療を行うと言うのは、「腎臓が悪くなったから部分切除して、そこに水銀やパラジュームの人口腎臓を入れますね」という治療と大差ないのです。人体に何かの物質を入れることには、安全性の検証はいくらあっても足りないはずです。これを「生体適合性」あるいは「臓器適合性」の検証と言いますが、歯も同じであることはいうまでもありません。単に一律に安全だけではなく、個人個人で遺伝子もことなりますので、一人一人に適合する歯科材料の考え方も必須なのです。
歯中枢治療(歯臓治療)は、かけがえのない歯を守り、3つの約束をご覧になれば分かるように、全身の健康と機能を保持増進していく歯科治療です。そしてさらにその延長線上に、神性領域を顕現させ、人類を進化させる歯科治療と考えています。まさに人類進化の鍵がこの歯中枢治療にあるのです。









